令和6年度補正予算 小規模事業者持続化補助金の概要 2024/12/23

ご承知のように、12月17日に令和6年度補正予算が国会で成立しました。
これに伴い、いくつかの補助金の情報が中小企業庁のホームページ上で公開されています。

そこで今回は、「小規模事業者持続化補助金」(以下、持続化補助金)の概要について、今わかっている点をまとめてみました。

【そもそも持続化補助金とは】

12月20日に更新された中小企業庁のサイトには、中小企業対策関連予算として「持続化補助金の概要」や<通常枠>、<災害支援枠>、<創業型>、<共同協業型>のチラシが掲出されました。

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/

ご承知のように、持続化補助金は「小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度」です。(小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブックより)

補助対象者は「小規模事業者」で、「販路開拓」や「生産性の向上」等の取組に対して補助を行うものです。主には「販路開拓」に重きを置いた補助金と考えればいいと思います。

なお、中小企業基本法では、小規模事業者は「商業・サービス業」は従業員5人以下、「製造業その他」は従業員20人以下と定義されています。

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.htm

【2025年の持続化補助金の特徴は】

2025年の持続化補助金の変更点の一つ目は、これまであった「卒業枠」と「後継者支援枠」が廃止されたことです。
また、これまで別の補助金であった「共同・協業販路開拓支援補助金」と「ビジネス・コミュニティ型補助金」を、持続化補助金の中に取り込むような形になっています。

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_jizoku_summary.pdf

上記のように、大きく分けると「一般型」「創業型」「共闘・協業型」「ビジネス・コミュニティ型」の4つの型に分かれています。

「一般型」は「通常枠」と令和6年能登半島地震等において被災した小規模事業者を対象とした「災害支援枠」に分かれます。

「通常枠」には、免税事業者から課税事業者に転換した小規模事業者が受けられる「インボイス特例」と、事業所内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者を対象とした「賃金引上げ特例」が設けられており、それぞれ補助上限額の上乗せがあります。

【通常枠】

対象は、経営計画を作成し、販路開拓等に取り組む小規模事業者で、補助上限額は50万円です。
補助率は基本的には2/3です。つまり、補助事業の費用が75万円の場合には、その2/3の50万円が補助されます。補助事業の費用が100万円の場合には、事業費の2/3は75万円ですが、補助上限が50万円ですので、50万円以上は補助されません。

なお、「インボイス特例」が適用されれば、補助上限が50万円上乗せされ、「賃金引上げ特例」が適用されれば、売上上限が150万円上乗せされます。このため2つの特例が適用されれば、最大で補助上限は250万円となります。

さらに、「賃金引上げ特例」を選択した事業者が赤字事業者の場合には、2/3の補助率が3/4となります。

【災害支援枠】

対象は、石川県、富山県、福井県、新潟県に所在する、令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨の被害を受けた小規模事業者等です。補助上限は、直接被害*¹が200万円で、間接被害*²が100万円となっています。補助率は2/3で、一定の要件を満たす事業者は定額となるとのことです。

*1 「直接被害」:自社の事業資産に損壊等の直接的な被害を受けた場合
*2 「間接被害」:令和6年能登半島地震・令和6年億能登豪雨に起因して、売上げ減少の間接的な被害を受けた場合

【創業型】

対象は、「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者です。
「特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者」とは、市区町村が行う創業スクール等を受講し、自治体から受講の証明書を受けた方になります。

補助上限は200万円で、インボイス特例を適用すると最大で250万円となります。補助率は2/3です。

【共同・協業型】

対象は、地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関(以下、地域振興等機関)と小規模事業者(以下、参画事業者)です。
地域振興等機関が参画事業者を10社以上集め、展示会や商談会、催事販売、マーケティングの拠点を活用し、販路開拓を支援する取り組みについて支援するものです。

補助上限は5,000万円で、補助率は、参画事業者は2/3、地域振興等機関は定額となっています。

【ビジネス・コミュニティ型】

対象は、商工会・商工会議所の内部組織などで、青年部や女性部などを想定しています。

補助上限は50万円ですが、2以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円となります。補助率は定額とのことです。

【公募の見通し】

中小機構の持続化補助金の事務局の公募要領によると、補助予定件数は合計で約3万件(ただし、1件当たりの補助申請額によっては、予定件数は増減)となっています。

また同じ公募要領では、できるだけ早期に公募を行い、令和7年度中に複数回の公募を予定するとの記述が見られます。

【まとめ】

現在は概要とそれぞれの枠のチラシしか公開されていませんので、販路開拓をお考えの方は、中小企業庁のサイト等を定期的に覗いてみることをお勧めします。補助金の公募要領が公開されたときには、早めに内容を確認し、ご自身の事業に活用できるかどうかを検討してください。

持続化補助金は、商工会、商工会議所の支援を受けて経営計画を作成することになっていますので、最寄りの商工会、商工会議所に早めにご相談いただくのがいいと思います。

それでは、また、次回お会いしましょう。